インピーダンスのマッチングの計算 [音楽関係]
最近、趣味の電気回路をお勉強中のよがです。
今日のお題はインピーダンスマッチング。
ある機器(回路)の出力インピーダンスと、その次につなぐ機器(回路)の入力インピーダンスは同じ値の時が一番効率が良いという話です。 たとえばDAC とヘッドホンアンプや、ヘッドホンアンプとヘッドホンの間の話もコレ。
なお、「こんな感じで考えれば納得がいく」というだけで内容の正確性・電気的妥当性については一切保証しませんのであしからず。
下記のような回路を考えましょう。
出力インピーダンスが R で、次段の入力インピーダンスが R の n 倍とします(n は0 以上の実数)。
n が 0 ならゼロオーム、100 なら 100倍です。 1 以下の小数でもかまいません。
インピーダンスの比率 1:n がどうなると最大なのか?
まずはオームの法則的に電圧および電力の式を書き出しましょう。
# R が一つ消えてるなぁ。。。 気にしないでね。
ここでは V1 の内部抵抗は R に含むものとします。 ケーブルの直流抵抗もおそらくこちらに含まれます。
後続の機器にわたる電力が W2 です。 図では便宜的にn×Rの抵抗で書いていますが実際には何らかの回路が繋がります。
電流 I2 を置き換え、V1 の式で表すと、W2 は n の関数となることがわかります。
n+1 が分母にあるのは後の計算というか式の見栄えが面倒臭そうなので m という媒介変数(というほどでもないけど)で置き換えます。 当然、W2 は m の関数になります。
W2 最大となる m を求めれば 1 : n = 1 : m-1 で比率がわかります。 最大値の求め方は高校数学ですので理系の方ならわかるでしょう。 W2(m) のグラフの傾き(微分)が 0 になるところが山のてっぺんです。
ということで無事、出力インピーダンス:入力インピーダンス=1:1 が最も効率が良いという結果になりました。
アンプの出力段直後のインピーダンスが理想的な値0Ωだった場合はその出力の中点から次段に繋がるように回路を構成する(含:ケーブルを選択する)とベストということですね。 インターコネクトのケーブル選定やアッテネータを挟みたい場合なんかに、今までよりもイメージしやすくなるといいですね。
オーディオ的観点からは「効率が最も良い=音が良い」とは限らないのがつらいところです。
[おまけ]
よく音楽業界でいわれる「ロー出し・ハイ受け」は n>1 のケースです。
逆に 「LINE out にイヤホンとか直でつなぐと機器やイヤホンが壊れちゃうかもよ」の話は n<1 です。
といっても現実にはそうそう壊れないよね。。。の話もこのイメージがあるとないとでは危険水域の見積もりに影響あるんじゃないでしょうか。
出力・入力インピーダンスがある値に近づくと I1 とかどうなっちゃうんでしょうねぇ?というあたりから考えてみると面白いかもしれません。 まぁ、出力側がどんな負荷が来ても V1 が一定になるような定電圧的な回路構成なのかそうでないのかも重要なファクターになってくると思いますが。
今日のお題はインピーダンスマッチング。
ある機器(回路)の出力インピーダンスと、その次につなぐ機器(回路)の入力インピーダンスは同じ値の時が一番効率が良いという話です。 たとえばDAC とヘッドホンアンプや、ヘッドホンアンプとヘッドホンの間の話もコレ。
なお、「こんな感じで考えれば納得がいく」というだけで内容の正確性・電気的妥当性については一切保証しませんのであしからず。
下記のような回路を考えましょう。
出力インピーダンスが R で、次段の入力インピーダンスが R の n 倍とします(n は0 以上の実数)。
n が 0 ならゼロオーム、100 なら 100倍です。 1 以下の小数でもかまいません。
インピーダンスの比率 1:n がどうなると最大なのか?
まずはオームの法則的に電圧および電力の式を書き出しましょう。
# R が一つ消えてるなぁ。。。 気にしないでね。
ここでは V1 の内部抵抗は R に含むものとします。 ケーブルの直流抵抗もおそらくこちらに含まれます。
後続の機器にわたる電力が W2 です。 図では便宜的にn×Rの抵抗で書いていますが実際には何らかの回路が繋がります。
電流 I2 を置き換え、V1 の式で表すと、W2 は n の関数となることがわかります。
n+1 が分母にあるのは後の計算というか式の見栄えが面倒臭そうなので m という媒介変数(というほどでもないけど)で置き換えます。 当然、W2 は m の関数になります。
W2 最大となる m を求めれば 1 : n = 1 : m-1 で比率がわかります。 最大値の求め方は高校数学ですので理系の方ならわかるでしょう。 W2(m) のグラフの傾き(微分)が 0 になるところが山のてっぺんです。
ということで無事、出力インピーダンス:入力インピーダンス=1:1 が最も効率が良いという結果になりました。
アンプの出力段直後のインピーダンスが理想的な値0Ωだった場合はその出力の中点から次段に繋がるように回路を構成する(含:ケーブルを選択する)とベストということですね。 インターコネクトのケーブル選定やアッテネータを挟みたい場合なんかに、今までよりもイメージしやすくなるといいですね。
オーディオ的観点からは「効率が最も良い=音が良い」とは限らないのがつらいところです。
[おまけ]
よく音楽業界でいわれる「ロー出し・ハイ受け」は n>1 のケースです。
逆に 「LINE out にイヤホンとか直でつなぐと機器やイヤホンが壊れちゃうかもよ」の話は n<1 です。
といっても現実にはそうそう壊れないよね。。。の話もこのイメージがあるとないとでは危険水域の見積もりに影響あるんじゃないでしょうか。
出力・入力インピーダンスがある値に近づくと I1 とかどうなっちゃうんでしょうねぇ?というあたりから考えてみると面白いかもしれません。 まぁ、出力側がどんな負荷が来ても V1 が一定になるような定電圧的な回路構成なのかそうでないのかも重要なファクターになってくると思いますが。
定本 OPアンプ回路の設計―再現性を重視した設計の基礎から応用まで
- 作者: 岡村 廸夫
- 出版社/メーカー: CQ出版
- 発売日: 1990/09
- メディア: 単行本
タグ:インピーダンス
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