HD650 Get [音楽関係]
最近、Jazz とかボーカルモノばかり聴いてたんですが、久しぶりにクラシックもガツンと聞きたい気分です。
ということで定番の Sennheiser HD650。
外箱は銀色のダンボールにラベルが貼ってあるだけです。 中に別の上等な硬い箱があってその中にヘッドホン本体と標準→ ミニの変換プラグが同梱されています。 ハードケースは高級感はあるものの、家でしか使わないので正直邪魔な気も。。。
プッチーニといえばオペラ「トスカ」「蝶々婦人」とか「ジャンニ・スキッキ」のアリア「私のお父さん」などが有名ですね。 特に「私のお父さん」は声のきれいなソプラノの人が結婚式披露宴で歌うと お父さん号泣間違いなしです。 他の曲も一度聴いたら心に残る美しいメロディが盛りだくさん、ヴェルディとならんでイタリアを代表する作曲家の一人ですね。
私は一曲目の劇的な感じとアニュス・デイでおっちゃんのソロのあとにコーラスが入ってくるところが好きです。 まぁ、ミサ曲ということでジャンル的にCD屋では一番端のよくわからないところにおいてあることが多いのですが頑張って探す価値のある曲です。 てゆーかプッチどん、二十歳そこそこで こげな名曲ば作るとかー、えらいふとか~。
HD650 で聴くと本当に音に包まれるような感じで どっぷりと浸れます。 高い音の楽器も低い音の楽器も内声もよく聞こえるのにカタカタ言う楽器操作音はうまく隠してますね。 オケで弾いてても(弾いてるから?)こんなにたくさんのパートの音は中々聴けません。 それぞれの楽器が他の楽器をマスクしてしまわないような うまいバランスを保っています。 なお この CD には残念ながら「私のお父さん」は入っていません、あしからず。
かなり古い録音です。 この CD でオススメしたいのがモーツァルトのピアノ協奏曲20番。 イヴォンヌ・ルフェビュール(Ybonne Lefebure)というピアニスト、あんまり情報ないのですがこのピアノの音を聞いてると自然と引き込まれます。
HD650 で聴くと音程が非常によくわかります。 低弦のゴリゴリ弾いてるところとかグチャッとならずにズンズン響きます。 ピアノは一度チューニングしたら鍵盤を押すだけなので動的に音程が変わったり音痴になったりすることはないのですが、こちらも音程的な音の動きが非常に明瞭で和声がよくわかるので聴いていて響きがきれいです。 そして小さな音が遠くにかすむのではなく近くで囁くでもなく、ちゃんと小さく弾いたからというダイナミクスの微妙な変化がわかります。 なんか生録っぽいですね。
ショスタコーヴィチ/Comp.symphonies Etc: Haitink / Lpo Concertgebouw O Etc
ハイティンク指揮のタコ全集。 私が持ってるのはコンセルトヘボウと録音した6&11 のカップリングの CD だけなのですが、廃盤になったのか最近は単品では入手困難らしいのでどどんと全集をどうぞ。
んで、オススメは11番。 「1905年」(帝政ロシア下で 1905/1/9 に起こった「血の日曜日事件」を題材にしたもの)というタイトルがついている物騒な曲ですが内容もかなり緊張感あふれるものです。 不穏な雰囲気の1楽章「宮殿前広場」、歴史的事件としてかつてないほどの修羅場となった一日を描写した2楽章「1月9日」、同胞の死を嘆く3楽章「永遠の記憶」、そして4楽章「警鐘」。
不気味な低音とティンパニ、静寂を破るスネア、切ないメロディーを奏でるビオラ、すべてを圧倒する金管打楽器、ラストに流れる悲しげである種のやりきれなさをも感じさせるコールアングレ、。。。 この曲は社会主義国家のプロパガンダという以上に歴史的事件の記録、そしてショスタコーヴィチのオーケストレーションの見事さをあらわした名曲といえるでしょう。 HD650 ならそんな重い曲でもきちんと聴かせてくれます。
ラヴェルといえば、フランスの作曲家らしく木管楽器の使い方が大変うまい人ですが、そのパステル画のような多彩な音色が楽しめるのがマ・メール・ロワ(管弦楽組曲版)などの管弦楽曲です。 演奏は定番のデュトワ指揮モントリオール交響楽団。
フルートのほろほろと溶けるような音、オーボエの可愛らしい音色、単なる伴奏パートだけではなく朴訥に語りのように出てくるファゴット、オーケストラを包み込むホルンの音、時折出てくるちょっと切ないチェロのメロディー、爽やかな風のような弦楽器の伴奏、マ・メール・ロワの終曲のヴァイオリンソロ、などなど本当に美しい音色が聴けます。 これらを聴けるだけでも買って良かったヘッドホンと言えますね。 ドイツのメーカー ゼンハイザーのヘッドホンなのにフランスのラヴェルとの相性は大変いいと思います。
さて、トリは本命の弦楽合奏です。 弦楽器がいい音で聴けるヘッドホンが欲しくて HD650 に至ったといっても過言ではないでしょう。
ヨゼフ・スークという人、チェコの作曲家で同郷のドヴォルザークの弟子です。 「スークの弦セレ」は美しいメロディと溌剌とした曲想が初夏を思わせる隠れた名曲です。 弾けたとしても曲として聴かせるレベルまで持っていくのが難しいためか、作曲家のネームバリューがそれほどでもないためか、他の弦セレ等(ドヴォルザーク、チャイコフスキー、レスピーギ、モーツアルト、。。。)に比べて演奏機会もCD も少ないのが残念ですね。
HD650 で聴くと。。。ってもう説明の必要もないですね。 じっくり聴くだけで満足です。
愛用中の Beyerdynamic も決して悪い音というわけではないのですが どちらかというと「少人数・鳴ってる音がダイレクトに飛んでくる・生音のリアリティ感・音のエッジ&ライブ感」といった芸風です。 ミルシテインの無伴奏とかはベイヤーのほうがいいです。
一方、「コンサートホールでゆったり聴いてる風・マイクが拾った音に対する忠実度よりもミキシング&記憶の中の音色に対する再現性・弦楽器の音のふくよかさを損なわない・ハーモニーの美しさを堪能・フルオケの迫力」みたいなところを求めたらやっぱり HD650 なのかな、と。
なお、HD650 だと、太い声・ダミ声の男性ボーカルみたいなのでも若干明るいテノール的な張りのある感じに声質が変わってしまう感じがして、そういう(声質・音質の汚い部分とか不均一なモノも再現性が求められる)ジャンルは苦手なのかなと思いました。 初期メタリカの低い声シャウトとか、ディストーションの音の太さなんかね。
疑似科学的に表現すると、非整数次倍音が整数次倍音に揃うような感じで丸められてる感じがあります。 例えば、トライアングルが風鈴っぽくなったみたいな。 それが HD650 独特の「音場の広さと余韻」、「音色の美しさ」、「音程のクリアさ」の一方で「ヘビメタ系は綺麗過ぎてつまらない」みたいな所につながってるんじゃないかなと感じています。
一応、選定にあたって重視した点は下記のとおり。
- 低音の音程のクリアさ
- ハモリに対する反応の速さ
- 上から下までいろんな音域の楽器がなってる状態でのバランス
- 弦楽器の音色(楽器の「箱が鳴ってる感じ」が消えないこと)
- その日の気分
HD650 以外にもいろいろ DT880、T1、D7000、D5000、K701、SA5000、RS-1、PRO900 あたりは聞きましたけど、上記を満足できるのは HD650 でした。 HD800 は試聴できなかったっす。
まぁそんなに小遣い銭もないし、ヘッドホン以外にヘッドホンアンプも気になってるからね~。
ちなみに、HD650 を嫁に聴かせた所「ほっ、ほほぉぅ」とそれなりの価値あるものであることを見抜いたようです。 とりあえず良い買い物って感じで満足っす。
ということで定番の Sennheiser HD650。
外箱は銀色のダンボールにラベルが貼ってあるだけです。 中に別の上等な硬い箱があってその中にヘッドホン本体と標準→ ミニの変換プラグが同梱されています。 ハードケースは高級感はあるものの、家でしか使わないので正直邪魔な気も。。。
Puccini: Messa di Gloria: Preludio sinfonico; Capriccio sinfonico
- アーティスト: Hermann Prey,Giacomo Puccini,Claudio Scimone,Monte Carlo National Opera Orchestra,Philharmonia Orchestra of London,José Carreras
- 出版社/メーカー: Apex
- 発売日: 2003/02/18
- メディア: CD
私は一曲目の劇的な感じとアニュス・デイでおっちゃんのソロのあとにコーラスが入ってくるところが好きです。 まぁ、ミサ曲ということでジャンル的にCD屋では一番端のよくわからないところにおいてあることが多いのですが頑張って探す価値のある曲です。 てゆーかプッチどん、二十歳そこそこで こげな名曲ば作るとかー、えらいふとか~。
HD650 で聴くと本当に音に包まれるような感じで どっぷりと浸れます。 高い音の楽器も低い音の楽器も内声もよく聞こえるのにカタカタ言う楽器操作音はうまく隠してますね。 オケで弾いてても(弾いてるから?)こんなにたくさんのパートの音は中々聴けません。 それぞれの楽器が他の楽器をマスクしてしまわないような うまいバランスを保っています。 なお この CD には残念ながら「私のお父さん」は入っていません、あしからず。
- アーティスト: ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,モーツァルト,フルトヴェングラー(ウィルヘルム),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,ルフェビュール(イボンヌ)
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2000/04/19
- メディア: CD
HD650 で聴くと音程が非常によくわかります。 低弦のゴリゴリ弾いてるところとかグチャッとならずにズンズン響きます。 ピアノは一度チューニングしたら鍵盤を押すだけなので動的に音程が変わったり音痴になったりすることはないのですが、こちらも音程的な音の動きが非常に明瞭で和声がよくわかるので聴いていて響きがきれいです。 そして小さな音が遠くにかすむのではなく近くで囁くでもなく、ちゃんと小さく弾いたからというダイナミクスの微妙な変化がわかります。 なんか生録っぽいですね。
ショスタコーヴィチ/Comp.symphonies Etc: Haitink / Lpo Concertgebouw O Etc
ハイティンク指揮のタコ全集。 私が持ってるのはコンセルトヘボウと録音した6&11 のカップリングの CD だけなのですが、廃盤になったのか最近は単品では入手困難らしいのでどどんと全集をどうぞ。
んで、オススメは11番。 「1905年」(帝政ロシア下で 1905/1/9 に起こった「血の日曜日事件」を題材にしたもの)というタイトルがついている物騒な曲ですが内容もかなり緊張感あふれるものです。 不穏な雰囲気の1楽章「宮殿前広場」、歴史的事件としてかつてないほどの修羅場となった一日を描写した2楽章「1月9日」、同胞の死を嘆く3楽章「永遠の記憶」、そして4楽章「警鐘」。
不気味な低音とティンパニ、静寂を破るスネア、切ないメロディーを奏でるビオラ、すべてを圧倒する金管打楽器、ラストに流れる悲しげである種のやりきれなさをも感じさせるコールアングレ、。。。 この曲は社会主義国家のプロパガンダという以上に歴史的事件の記録、そしてショスタコーヴィチのオーケストレーションの見事さをあらわした名曲といえるでしょう。 HD650 ならそんな重い曲でもきちんと聴かせてくれます。
ラヴェルといえば、フランスの作曲家らしく木管楽器の使い方が大変うまい人ですが、そのパステル画のような多彩な音色が楽しめるのがマ・メール・ロワ(管弦楽組曲版)などの管弦楽曲です。 演奏は定番のデュトワ指揮モントリオール交響楽団。
フルートのほろほろと溶けるような音、オーボエの可愛らしい音色、単なる伴奏パートだけではなく朴訥に語りのように出てくるファゴット、オーケストラを包み込むホルンの音、時折出てくるちょっと切ないチェロのメロディー、爽やかな風のような弦楽器の伴奏、マ・メール・ロワの終曲のヴァイオリンソロ、などなど本当に美しい音色が聴けます。 これらを聴けるだけでも買って良かったヘッドホンと言えますね。 ドイツのメーカー ゼンハイザーのヘッドホンなのにフランスのラヴェルとの相性は大変いいと思います。
Suk, Dvorák: Serenades for Strings
- アーティスト: Josef [Composer] Suk,Antonin Dvorak,Jaroslav Krcek,Capella Istropolitana
- 出版社/メーカー: Naxos
- 発売日: 1994/01/13
- メディア: CD
ヨゼフ・スークという人、チェコの作曲家で同郷のドヴォルザークの弟子です。 「スークの弦セレ」は美しいメロディと溌剌とした曲想が初夏を思わせる隠れた名曲です。 弾けたとしても曲として聴かせるレベルまで持っていくのが難しいためか、作曲家のネームバリューがそれほどでもないためか、他の弦セレ等(ドヴォルザーク、チャイコフスキー、レスピーギ、モーツアルト、。。。)に比べて演奏機会もCD も少ないのが残念ですね。
HD650 で聴くと。。。ってもう説明の必要もないですね。 じっくり聴くだけで満足です。
愛用中の Beyerdynamic も決して悪い音というわけではないのですが どちらかというと「少人数・鳴ってる音がダイレクトに飛んでくる・生音のリアリティ感・音のエッジ&ライブ感」といった芸風です。 ミルシテインの無伴奏とかはベイヤーのほうがいいです。
一方、「コンサートホールでゆったり聴いてる風・マイクが拾った音に対する忠実度よりもミキシング&記憶の中の音色に対する再現性・弦楽器の音のふくよかさを損なわない・ハーモニーの美しさを堪能・フルオケの迫力」みたいなところを求めたらやっぱり HD650 なのかな、と。
なお、HD650 だと、太い声・ダミ声の男性ボーカルみたいなのでも若干明るいテノール的な張りのある感じに声質が変わってしまう感じがして、そういう(声質・音質の汚い部分とか不均一なモノも再現性が求められる)ジャンルは苦手なのかなと思いました。 初期メタリカの低い声シャウトとか、ディストーションの音の太さなんかね。
疑似科学的に表現すると、非整数次倍音が整数次倍音に揃うような感じで丸められてる感じがあります。 例えば、トライアングルが風鈴っぽくなったみたいな。 それが HD650 独特の「音場の広さと余韻」、「音色の美しさ」、「音程のクリアさ」の一方で「ヘビメタ系は綺麗過ぎてつまらない」みたいな所につながってるんじゃないかなと感じています。
一応、選定にあたって重視した点は下記のとおり。
- 低音の音程のクリアさ
- ハモリに対する反応の速さ
- 上から下までいろんな音域の楽器がなってる状態でのバランス
- 弦楽器の音色(楽器の「箱が鳴ってる感じ」が消えないこと)
- その日の気分
HD650 以外にもいろいろ DT880、T1、D7000、D5000、K701、SA5000、RS-1、PRO900 あたりは聞きましたけど、上記を満足できるのは HD650 でした。 HD800 は試聴できなかったっす。
まぁそんなに小遣い銭もないし、ヘッドホン以外にヘッドホンアンプも気になってるからね~。
ちなみに、HD650 を嫁に聴かせた所「ほっ、ほほぉぅ」とそれなりの価値あるものであることを見抜いたようです。 とりあえず良い買い物って感じで満足っす。
Sennheiser ダイナミックオープンエアヘッドホン ハイグレードモデル HD650
- 出版社/メーカー: ゼンハイザー
- メディア: エレクトロニクス
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