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半減期一覧 [とりあえず羅列]

最近、心配事が多いのですが実際に役に立つかどうかはともかく
調べたことは ぼちぼち纏めていきたいと思います。

すいへーりーべ ぼくのふね
なーまがーるしっぷす くらーくか
(かっかの)すこっち ばくろまん
てつこにどうにもあえんが げるまんあっせんぶろーかー


なお、リストの信ぴょう性およびこの表による損害などについては
いかなる保証もしませんのでご了承ください。

# 放射線に関する基本的な知識などについては
# 緊急被ばく医療研修のホームページの初級講座の資料が
# 大変わかりやすく書かれています。
http://www.remnet.jp/lecture/seminar/index.html


●主な元素の半減期の一覧
安定でない原子は少しづつ壊れて(○○崩壊)いき別の元素になる。
これが数珠つなぎに色々な元素を経て最終的に鉛などになるが、
崩壊の都度 放射線(α線、β線など)が出る。
ある原子の半分の量が壊れる時間が半減期。

□ 最近ニュースに出てるくやつ
ヨウ素: I131 → Xe131 で1発だけ放射線が出る
セシウム:Cs137 → Ba137 で一発だけ放射線が出る

□ あんまりニュースで出てこないやつ
ウラン: 長い年月をかけて崩壊系列をたどるので何発も放射線が出る
プルトニウム:長い年月をかけて崩壊系列をたどるので何発も放射線が出る
→ こっちの話のほうが要注意かも。

□ カリウム(K39、K40)
- K40 →12.8億年(β)→ Ca40

人体のカリウム量は体重1kg あたり2g 程度といわれる(体重60kg ならカリウム 120g)。
男性のほうが筋肉などが多い分、女性より1.5倍程度おおいカリウムが体内にあるという話もある。
全カリウムのうち 0.0012% が K40 で、体内にも K40 がその程度の比率で含まれる。
これを換算すると、体重 1kg あたり 60ベクレルとなる(体重 60kg なら 3600Bq)。
ここ http://www.remnet.jp/lecture/b05_01/4_1.html によると各放射性元素のベクレル値に
「実効線量係数」というものをかけることでシーベルト相当量(年間)を計算することができる。
体重60kg の人の 3600Bq の K40 は 3600*(6.2*10^-9) = 3.6*6.2 * 10^-6 = 22.32 *10^-6 Sv ≒ 22 μシーベルト(年間)となる、、、であってるのかな? ざっくり体重÷3 μSv っちゅー感じやね。
世界平均で年間2400μSv の被曝量の内1% がこれということになる。


□ ホウ素(ボロン、B7-B15)
- B10+n →(α)→ Li7
B10,11 は安定だが、B10 は中性子を当てるとα崩壊する。
ホウ素は中性子を吸収しやすい性質がある。この性質を利用して
制御棒の材料やがん治療で使用されることもある。


□ ストロンチウム(Sr88、Sr90)★
- Sr90 → 28.78年(β)→ Y90
核分裂で生成されるのは Sr90、他のSr88などは安定。
ストロンチウムは体内ではカルシウム(Ca)と似た感じで骨に集まる。


□ イットリウム(元素記号 Y89)
- Y90 → 64時間(β)→ Zr90(安定)
- Y91 → 58日(β)→ Zr91(安定)


□ ヨウ素(元素記号 I127)★
- I129 →1570万年(β)→ Xe129(安定)
- I131 →8日(β)→ Xe131(安定) :β線(364keV)+γ線(Iの励起状態による)
核分裂で生成されるのはI131。
ヨウ素は甲状腺にあつまり、半数代謝も8日ぐらい。
この8日~数か月のうちにバンバン体内でβ崩壊されると甲状腺に
集中的に大量の放射線が浴びせられることになるので危ない。
なお、I131 は放射性ヨード内用療法という治療に使用されることもある。
食品の放射線がヨウ素131だけの問題だったら半年ぐらい冷凍保存でもしとけば
180日で百万分の一以下の量になる。


□ キセノン(Xe)
- Xe13x: ありすぎてよくわからない。
ウランとプルトニウムの核分裂で生成されるが、逆にXe139 は中性子を吸収し
核反応を減速する効果がある。


□ セシウム(元素記号 Cs133)★
- Cs134 →2年(β)→Ba134(安定)
- Cs134 →2年(ε)→Xe134(安定):まれ
- Cs137 →30年(β)→Ba137m
Cs137 は核分裂や核爆発で生成され、Cs134 は原子炉・使用済み核燃料から。
生物半減期(半分が代謝される)は110日。 血液を通って全身に回る。 カリウムと似ている。
プルシアンブルーで排出促進できる(治療)らしい。
セシウム133(安定)は精密な時計などで利用。


□ バリウム
- Ba133 →10年(ε)→ Cs133(安定)
- Ba137m →(γ:662keV)→ Ba137(安定)
Ba133以外は安定。
Ba137m は残りのエネルギーをガンマ崩壊で放出してBa137 になる。


□ ラドン
Rn222 →3日(α)→ Po218
Rn222 →(3α2β)→ Pb210
すべて不安定。
ウランから トリウム、ラジウム、ラドン、、、最終的に鉛と崩壊する(崩壊系列)


□ ラジウムRa
- Ra226 →1602年(α)→ Rn222


□ トリウム
- Th230 →75380年(α)→ Ra226
- Th232+n → U233


□ ウラン
- U233 →15920年(α)→ Th229
- U234 →24550年(α)→ Th230
- U235 →7千万年(α)→ Th231
- U236 →2百万年(α)→ Th232
- U238 →40億年(α)→ Th234 :ウランでは最も安定
- U238+n → U239 →23分(β)→ Np239 →2.4日(β)→ Pu239
ウラン238(安定)に中性子n が取り込まれるとU239(不安定)になる
その後β崩壊を繰り返しプルトニウムになる(ある意味原発での燃えカス)
ということで、核分裂をする U235 の「つなぎ」として大部分を占める U238 も
原子炉の中でβ崩壊という形でエネルギーと放射線を出す(ようだ)。
さらにプルトニウム自身も燃料として核分裂はするので、
燃えカス(プルトニウム+U238)の積極的再利用が検討されている → 再処理核燃料、プルサーマル


□ プルトニウム
- Pu239 →2万4千年(α)→ U235
- Pu239+2n → Pu241
- Pu241 →14年(β)→ Am241
- そのほか同位体いっぱい

全部不安定。
ある程度の量が塊であると持続的なα・β崩壊のために熱を持つ(崩壊熱)。
→ 使用済み核燃料の冷却が必要な理由(プルトニウムに限らないけど)。
α線は放射線のなかでも特に人体に対する影響が大きいので体内に取り込まれると。。。


□ アメリシウム(元素記号 Am241)
- Am241 →400年以上(α)→ Np237


アクチニウム系列
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0%E7%B3%BB%E5%88%97

トリウム系列
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E7%B3%BB%E5%88%97

ウラン系列
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%83%B3%E7%B3%BB%E5%88%97

アクチニウム系列
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%8B%E3%82%A6%E3%83%A0%E7%B3%BB%E5%88%97



●用語
□ α崩壊:
ある原子がヘリウムイオン(+2価) を放出して別の原子になる。
He は陽子2、中性子2なので、He を放出した原子は元素記号で
2つ少ないほうの原子になる(質量数としては-4)。

□ β崩壊: (cf. 同重体)
質量数は同じままで「中性子 → 電子・陽子」もしくは「 陽子+電子→ 中性子」
の変化(崩壊)により元素記号で一つとなりの原子になる。
- 中性子が陽子に変わる → 元素記号一つ増える
- 陽子が電子を捕獲して中性子に変わる → 元素記号一つ減る

○○崩壊する際に質量が減るとその分はエネルギーになる(質量数≠質量、e = mc^2)
核分裂よりは小さな値だが、使用済み核燃料を3年間 水に浸けて
冷やし続けないといけないぐらいのエネルギーはある。

□ α線、β線、γ線、中性子線、X線など(放射線):
α線: α崩壊で放出された He 陽イオン
β線: β崩壊で放出された電子(イオン)
γ線: 波長の短い電磁波(X線の親戚)
核分裂・核融合・○○崩壊の時などに出る放射線。 大量に浴びると健康被害をもたらす(被曝)。
被曝の量は Sv(シーベルト)であらわす。 なお、放射線の物理量としては グレイがあるが、
シーベルトは線種ごとの人体への影響度を加味した値(グレイより1~20倍程度増)となる。
被曝量は単位時間当たりの放射線量×時間とも考えることができるので自然界の値の10倍が一瞬などでは
特に問題ないと思われるが、微量でも体内に蓄積し長時間被曝し続けると健康被害につながる可能性あり。 もちろん微量だからただちに問題になることはないといっても自然に浴びる量にプラスして浴びることになる点は注意。 最近テレビでやってる 400mSv とかは正確には 1時間あたりの放射線量なので 400[mSv/h] という意味? 年間自然被曝量 2400μSv と同列で比較はできない。
全身に1[mSv] の放射線を浴びる≒体の各細胞全部に一本づつの放射線が通る(当たり所が悪ければ細胞壊れて修復→間違ったDNAの修復で変異の可能性がある)。 発がんリスク は 1mSv で 1/10000人、100mSv で100/10000人と予想されほぼ線形に比例と言われている。なお、年間線量100mSv 浴びた発がん確率は一日たばこ8本吸うのと同じくらいとのこと。

ガイガー・カウンター(安いガラス管の)で計測できるのはβ線とγ線。 α線は検知できない(ガラスを通過できない)が、人体への影響が大きいのはα線なので注意。 またガイガーカウンターでは(α線とか中性子線はわからないので)正確な放射線量は計測できない。 もっともガイガー・カウンターで大きな値が出れば是即ちヤバい。



●おもな核分裂反応
□ ウラン(元素記号 U238、U235)
ウランの大部分は安定な U238。
U235 は自然界にあるウランの0.7%程度存在し、
これを濃縮して核燃料(濃度3-5%)や核爆弾(濃度90%程度)として用いる。

U235+n → Y95 + I139 + 2n
ウラン235(不安定)に 中性子n が取り込まれると ウラン236(めっちゃ不安定)になり
イットリウム95 とヨウ素139 に分裂、2個の中性子(とエネルギー:発電などに利用)が放出される。

U235+n → Kr92 + Ba141 + 3n
同じく中性子n が取り込まれると、クリプトン92 とバリウム141になって3個の中性子が放出される。

U235+n → Mo95 + La139 + 2n
U235+n → Rb90 + Cs143 + 3n

。。。他にもいろいろな分裂のパターンがある。
何に分裂しやすいかは「核分裂収率曲線」というグラフであらわされる。

核分裂で出た中性子が別のウランやそのほか原子に当たり、それがさらに核分裂を起こして、、、と連鎖反応が増大していくのが臨界を超えた状態。 これを臨界超えないように中性子の量をうまい具合にコントロールしながら生かさず殺さず燃やし続けるのに使うのが制御棒。


□ プルトニウム
ウランの燃焼過程でも発生。
条件が整えばα崩壊で核分裂を起こす(むしろウランより核分裂しやすい)らしい。



●URL
Wikipedia 核種の一覧: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8%E7%A8%AE%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

プルサーマル
http://idemitsu.nucl.kyushu-u.ac.jp/Presentations/PuThermal060613.pdf

上記資料の置いてある研究室にはほかにもいろいろためになる資料が置いてあります。
http://idemitsu.nucl.kyushu-u.ac.jp/

よくわかる原子力
http://www.nuketext.org/

タグ:半減期
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コメント 8

しゅう

ぜんぜんわからん

もう少し人に説明するということを意識してほしいです。
by しゅう (2011-03-19 02:26) 

しゅう

すみません。
言い過ぎでした。

全然知識のない人にもわかるような物にしていただけると嬉しいです。

正直、何が分からないかも分からない状態です><
by しゅう (2011-03-19 02:29) 

よが

しゅうさん、コメントありがとうございます。

私もどうやったら放射能に対する恐怖心を抑え
少しでも安心を引き出せるかということで
いろいろ調べている途中です。
精進いたします。

by よが (2011-03-19 08:12) 

glumaries

私は高卒の会社員ですが、他の方が言われる程理解し難いとは思いませんでした。
震災前より、雑学と言う位置付けで原子物理学について調べていた経験から言わせて頂くと、むしろ分かり易くまとめてあると感じました。

ブログオーナー様、震災で心休まらぬ中、貴重な記事とても有り難かったです。
これからも、頑張って下さい。
応援しています!
by glumaries (2011-04-08 07:49) 

よが

glumaries さん、コメント&応援ありがとうございます。

自分でも、「知っておきたい放射能Part1,2,3」みたいなシリーズにしたほうがよかったな~と思いつつ速度を優先して書き散らしてしまったので、その点反省しています。

近頃は、報道なども落ち着いてきて(慣れてきて?)淡々としたニュースが多いですが、当初の過激な報道 vs 「直ちに異常が出る数値ではない」とか「世界には桁が違う年間被曝量のところもいっぱいあるよ」のような火消コメントがうずまく中では、少しでも自分の知識を増やしておかないとまずそうだとの思いでした。

by よが (2011-04-20 07:40) 

たこやん

かなりよくわかりました。作成ありがとうございました。

ひとつ注文をつけさせていただきます。最初のあたりに「長い年月をかけて崩壊系列をたどるので何発も放射線が出る…」とありますが,年月に関係なく崩壊系列をたどるなら(1秒でも1msでも)何発かの放射線が出ます。修正をしていただくとうれしいです。

by たこやん (2011-05-15 23:37) 

たこやん

カリウム40の放射線量について質問します。:
 体重60kgの人のカリウム40の放射線量は約3,600Bq,年間約22μSbとなる,とあります。 ところが別の資料(例えば:近藤宗平:「人は放射線になぜ弱いか」)
によると,カリウム40による年間被曝量は約0.18mSv(=180μSbとあり,上記の値と1桁違います。 放射線の種類はβ線であるとして正しくはどうなのか教えていただけるとありがたいです。


by たこやん (2011-06-15 22:11) 

たまたまみつけました

放射能について調べていたら、たまたま見つけました。
このページすごくわかりやすいと思います。
ちょっと興味をもって、少し調べたことのある人なら理解できると思います。
かくいう自分も文系で理科系の教科はほとんど勉強してませんが、まとまっていて分かりやすいと感じました。
また放射能、放射線について記事書いてほしいくらいです。
by たまたまみつけました (2011-09-09 00:54) 

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