beyerdynamic DT990 を一週間使っての感想 [音楽関係]
ぼちぼち burn-in が進んで音の変化も落ち着いてきたみたいなので、beyerdynamic DT990 を一週間使っての感想です。
最初にお断りしておきますが、基本的に「私が選んだお気に入りの DT990」を称えてちょっとイイ気分になる&悦に入ることが目的です。 「買ってよかった」という結論ありきですので、公正さを旨とした、自分に厳しい第三者的なレビューではありません。
Beyerdynamic DT990 MANUFAKTUR 600Ω
□ 環境
パソコン →(光:44.1kHz/16bit)→ PCM-D50 →(イヤホン端子)→ DT990
Vol. は 10段階の3 ぐらいで音量取れてます。
それと、ソフトイコライザをこんな感じでかけてます。
私の今の機材環境では 300Hz と 3kHz 近辺をすこし持ち上げてやることでいい感じになります。
中域に厚みが。。。っていうやつでしょうか。
タベア・ツィマーマンの「Robert Schumann: Werke Fur Bratsche」は音が太くていい感じです。
今井信子氏のテレマンもスタジオの響きがふくよかでしっとりしてて味わい深いです。
□ 印象
ジャンルにかかわらず、大き目の音量で聴くのが気持ちいですね。 まさに音を浴びるようにという感じがピッタリです。
巷では、ドンシャリといわれてますが、まぁドンシャリ傾向でしょう。 ただ、巷で言われているほど
低音は質も量もいい感じです。 遅れて聞こえるようなことはありません。 言うなれば、締まりと余韻の両立ができてると思います。 サ行は刺さるほどではないものの、かすれる感じはすこしあります。 響きはダークというよりは堂々としています。 暗い洞窟の湿ったホゲホゲみたいなのではありません。 ベートーベンのフォルテ、もしくは天然皮ヘッドの銅シェルです。
これらに関しては自分が鈍感なだけなのかイコライザーでうまいバランスになっているのかインピーダンスが 600Ω のおかげかはわかりません。
逆に以下の点に関しては巷の噂と同様の印象です。
まぁ、インピーダンスが 600Ω になったからといって、DT880 や K601 や SA5000 や HD650 にはなりません。 DT990 は DT990 でしょう。
ラファエル・ヒリヤーの↓この CD、特に目玉の曲「バッハ無伴奏6番の Gigue (めちゃ音高い)」あたりはこれら DT990 の特徴がマッチしているようで、楽器の発音がパリッとしてて、何時にも増して上手くないか?と思ってしまいます。
それ以外で私なりに特記しておくべきこととしては、擦弦楽器(ヴァイオリン・ビオラ)の音色が少し裏返る・ヒステリックに聞こえることがある、というのがあります。 特に購入当初はかなりひっくり返ってる印象がありましたが、一週間のうちにだいぶ弓が噛む感じになってきて、これが熱演風の味付けになっています。 まぁ、少し衣擦れ(きぬずれ)&シルキータッチ・鈴の音風味でより良い楽器に聞こえる という風に好意的に解釈することもできるでしょう。
この先、この裏返り傾向が劇的に変化すると思うか?という問いには、「もうそれほど変わらないんじゃないかな。」と期待もこめて答えておきます。 裏返り傾向に関しては、先ほど述べた300-3k のイコライザー設定によって、よりしっかりした芯と実のある音になり、今や自分史上最高のバランスを保っていると思っています。 K271 は相手になりません。 まぁ、そもそもの傾向が AKG とは違いますからね。
最高バランスの例として、例えば↓コレ。 今まで、「まぁ、ヴェンゲーロフは Violin が本業だから Viola の音が多少ジャリジャリしててもしょうがないよね」なんて思うこともあった この CD のウォルトンのヴィオラコンチェルトでも、「やっぱうまい人が弾けば楽器って鳴るもんだな」という感じがします。
□ 音が近い
このヘッドホンで聴くと、ステージのド真ん前砂被り席、指揮者の真後ろに居るような感じのバランスで聞こえます。 具体的に言うと、低音が強くて近接効果が感じられるのと、高域が強調されて細かい演奏ノイズ風の音もわりと良く聞こえてくる感じです。 チェロの運弓で毛がビービー鳴いてるような音なんかが結構聞こえます。 「リアル」というのとは違う気がします(むしろ「デフォルメ」?)が、一言で言えば「奏者に近い」です。 奏者の目の前に椅子を置いて一対一で弾いてもらってるような雰囲気です。
録音マイクの傾向でも、こういうところ(http://www.thelisteningsessions.com/session2.htm)で聴き比べたりするとベイヤー160 は SHURE SM57 よりも近い感じ、オーテクの 4050 はずっと遠い感じ、なんてことを思ったりしますが、そういうのと同様の感覚的な遠近感の違いを感じます。 まぁ、物理的にもっとも確からしい表現をすれば「f特がドンシャリ」なんでしょうが、味わいのあるドンシャリですね。 芸風として完成度が高いと思います。
□ 古い録音も意外といける
Great Violists シリーズのプリムローズの録音とかバルシャイのおとぎの絵本のCDなど、結構歌い込みが伝わってきていい感じです。 まぁ、時代が時代なので録音の音質自体はそれなりですが、それを納得させて「録音が残ってて良かったなぁ」と思わせる音楽があります。
□ 音漏れについて
音を漏らすように作ってある開放型ヘッドホンの音漏れについて語るほど愚かな事はないですが、一応書いておきます。
音はもちろん漏れます。 シャカシャカもれます。 家で頭からはずした状態ですと、普通の音量でも半径1m はシャカシャカしてますし、聴ける音量の範囲でもう少しボリュームアップすると 半径 1.5m は何の曲かわかるようになります。 よって、当然のことながら公共の交通機関などでの使用はできないレベルです。 ダミーヘッド(ケロロ軍曹のぬいぐるみ)に装着した状態では若干緩和されますが、1m → 0.5m ぐらいになる程度で基本は変わりません。
家の中でも、受験生がいるお宅や局所的に人口密度の高い環境では、鳴らしっぱなしで放置すると何か言われるかもしれません。
□ 遮音性について
外からの雑音をどの程度カットしてくれるか?ですが、スペック上は 18dB です。 実感としてはあんまりカットしてくれません。 テレビをつけっぱなしにしてあると、ジャポニカロゴスの先生の解説とか聞こえます。 音が鳴ってるときは、ほとんど気にはならないレベルですが、曲間などには現実世界に引き戻されてしまいます。
□ まとめ
ドイツのヘッドホンだからドイツの音楽が合うのかな?という気がしたりもしますが、アイアンメイデンもジューダス・プリーストもイングヴェイ・マルムスティーンも aiko も 369 もいい感じです。 久々にクラシックをたくさん聴きたくなったヘッドホンではありますが、ベースラインがしっかりしてると何を聞いても満足度が高いです。
ヴァン・ヘイレンもサイコー。
前のエントリー(http://yoga.blog.so-net.ne.jp/dt990-fitting)の下のほうにいくつか CD の紹介をつけてますが、女性ボーカル物も結構 DT990 にあってるんじゃないかなと思います。 なんか耳元に「フゥッ」とくると外界から離れて音楽の世界に吸い込まれる感じがします。
□ オマケ情報
まったくの蛇足ですが、万一 DT990 が期待の音じゃなくて失敗したなー、もっと地味な音がいいなーと思っている方がいらしゃったら、AKG K271 のイヤーパッド(合成皮革)を試してみてはいかがでしょうか。 微妙なダブつきはありますが DT990 にもくっつきます。
K271 のパッドをつけると、密閉度があがるためかパッド部分から低音が逃げないので、中低音がさらに出ます。 イコール音量を下げられるということで、相対的に高域の量を減らすことができて DT990 が聴き疲れなしの超無難ホンに早変わりです。 アイドル歌謡もなんだか今日は大人な雰囲気だね、ということで一粒で二度おいしい DT990 でした。
最初にお断りしておきますが、基本的に「私が選んだお気に入りの DT990」を称えてちょっとイイ気分になる&悦に入ることが目的です。 「買ってよかった」という結論ありきですので、公正さを旨とした、自分に厳しい第三者的なレビューではありません。
Beyerdynamic DT990 MANUFAKTUR 600Ω
□ 環境
パソコン →(光:44.1kHz/16bit)→ PCM-D50 →(イヤホン端子)→ DT990
Vol. は 10段階の3 ぐらいで音量取れてます。
それと、ソフトイコライザをこんな感じでかけてます。
私の今の機材環境では 300Hz と 3kHz 近辺をすこし持ち上げてやることでいい感じになります。
中域に厚みが。。。っていうやつでしょうか。
タベア・ツィマーマンの「Robert Schumann: Werke Fur Bratsche」は音が太くていい感じです。
今井信子氏のテレマンもスタジオの響きがふくよかでしっとりしてて味わい深いです。
テレマン:無伴奏ヴィオラによる12のファンタジー
作曲:テレマン 参考価格: 価格:¥2,594 OFF : ¥136 (5%) |
□ 印象
ジャンルにかかわらず、大き目の音量で聴くのが気持ちいですね。 まさに音を浴びるようにという感じがピッタリです。
巷では、ドンシャリといわれてますが、まぁドンシャリ傾向でしょう。 ただ、巷で言われているほど
- 低音がボワボワしてて中高域とは違った異質な鳴り、スピード感がない。 - ヴォーカルのサ行がささる - ダークな響きだ、スピードメタルには合わないといった点は気になりません(それほど顕著には感じられません)。
低音は質も量もいい感じです。 遅れて聞こえるようなことはありません。 言うなれば、締まりと余韻の両立ができてると思います。 サ行は刺さるほどではないものの、かすれる感じはすこしあります。 響きはダークというよりは堂々としています。 暗い洞窟の湿ったホゲホゲみたいなのではありません。 ベートーベンのフォルテ、もしくは天然皮ヘッドの銅シェルです。
これらに関しては自分が鈍感なだけなのかイコライザーでうまいバランスになっているのかインピーダンスが 600Ω のおかげかはわかりません。
逆に以下の点に関しては巷の噂と同様の印象です。
- 楽器とヴォーカルが同列で、歌がやや引っ込んだ感じに聞こえることがある。 - 無難ホンではない。
まぁ、インピーダンスが 600Ω になったからといって、DT880 や K601 や SA5000 や HD650 にはなりません。 DT990 は DT990 でしょう。
ラファエル・ヒリヤーの↓この CD、特に目玉の曲「バッハ無伴奏6番の Gigue (めちゃ音高い)」あたりはこれら DT990 の特徴がマッチしているようで、楽器の発音がパリッとしてて、何時にも増して上手くないか?と思ってしまいます。
Raphael Hillyer Plays Hindemith, Bach & Bartók
作曲:Johann Sebastian Bach , 他 参考価格: 価格:¥1,687 OFF : ¥328 (16%) |
それ以外で私なりに特記しておくべきこととしては、擦弦楽器(ヴァイオリン・ビオラ)の音色が少し裏返る・ヒステリックに聞こえることがある、というのがあります。 特に購入当初はかなりひっくり返ってる印象がありましたが、一週間のうちにだいぶ弓が噛む感じになってきて、これが熱演風の味付けになっています。 まぁ、少し衣擦れ(きぬずれ)&シルキータッチ・鈴の音風味でより良い楽器に聞こえる という風に好意的に解釈することもできるでしょう。
この先、この裏返り傾向が劇的に変化すると思うか?という問いには、「もうそれほど変わらないんじゃないかな。」と期待もこめて答えておきます。 裏返り傾向に関しては、先ほど述べた300-3k のイコライザー設定によって、よりしっかりした芯と実のある音になり、今や自分史上最高のバランスを保っていると思っています。 K271 は相手になりません。 まぁ、そもそもの傾向が AKG とは違いますからね。
最高バランスの例として、例えば↓コレ。 今まで、「まぁ、ヴェンゲーロフは Violin が本業だから Viola の音が多少ジャリジャリしててもしょうがないよね」なんて思うこともあった この CD のウォルトンのヴィオラコンチェルトでも、「やっぱうまい人が弾けば楽器って鳴るもんだな」という感じがします。
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲
演奏:ヴェンゲーロフ(マキシム) 参考価格: 価格:¥2,429 OFF : ¥71 (3%) |
□ 音が近い
このヘッドホンで聴くと、ステージのド真ん前砂被り席、指揮者の真後ろに居るような感じのバランスで聞こえます。 具体的に言うと、低音が強くて近接効果が感じられるのと、高域が強調されて細かい演奏ノイズ風の音もわりと良く聞こえてくる感じです。 チェロの運弓で毛がビービー鳴いてるような音なんかが結構聞こえます。 「リアル」というのとは違う気がします(むしろ「デフォルメ」?)が、一言で言えば「奏者に近い」です。 奏者の目の前に椅子を置いて一対一で弾いてもらってるような雰囲気です。
バッハ:無伴奏チェロ組曲1&5
演奏:古川展生 参考価格: 価格:¥2,789 OFF : ¥151 (5%) |
録音マイクの傾向でも、こういうところ(http://www.thelisteningsessions.com/session2.htm)で聴き比べたりするとベイヤー160 は SHURE SM57 よりも近い感じ、オーテクの 4050 はずっと遠い感じ、なんてことを思ったりしますが、そういうのと同様の感覚的な遠近感の違いを感じます。 まぁ、物理的にもっとも確からしい表現をすれば「f特がドンシャリ」なんでしょうが、味わいのあるドンシャリですね。 芸風として完成度が高いと思います。
Mozart: Complete String Trios & Duos
作曲:Wolfgang Amadeus Mozart 参考価格: 価格:¥1,613 OFF : ¥417 (21%) |
□ 古い録音も意外といける
Great Violists シリーズのプリムローズの録音とかバルシャイのおとぎの絵本のCDなど、結構歌い込みが伝わってきていい感じです。 まぁ、時代が時代なので録音の音質自体はそれなりですが、それを納得させて「録音が残ってて良かったなぁ」と思わせる音楽があります。
□ 音漏れについて
音を漏らすように作ってある開放型ヘッドホンの音漏れについて語るほど愚かな事はないですが、一応書いておきます。
音はもちろん漏れます。 シャカシャカもれます。 家で頭からはずした状態ですと、普通の音量でも半径1m はシャカシャカしてますし、聴ける音量の範囲でもう少しボリュームアップすると 半径 1.5m は何の曲かわかるようになります。 よって、当然のことながら公共の交通機関などでの使用はできないレベルです。 ダミーヘッド(ケロロ軍曹のぬいぐるみ)に装着した状態では若干緩和されますが、1m → 0.5m ぐらいになる程度で基本は変わりません。
家の中でも、受験生がいるお宅や局所的に人口密度の高い環境では、鳴らしっぱなしで放置すると何か言われるかもしれません。
ブラームス:交響曲全集(3枚組)
作曲:ブラームス 指揮:ヴォルフガング・サヴァリッシュ 演奏:ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 参考価格:¥1,995 |
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
指揮:バーンスタイン(レナード) 演奏:ニューヨーク・フィルハーモニック 参考価格: 価格:¥2,594 OFF : ¥136 (5%) |
□ 遮音性について
外からの雑音をどの程度カットしてくれるか?ですが、スペック上は 18dB です。 実感としてはあんまりカットしてくれません。 テレビをつけっぱなしにしてあると、ジャポニカロゴスの先生の解説とか聞こえます。 音が鳴ってるときは、ほとんど気にはならないレベルですが、曲間などには現実世界に引き戻されてしまいます。
□ まとめ
ドイツのヘッドホンだからドイツの音楽が合うのかな?という気がしたりもしますが、アイアンメイデンもジューダス・プリーストもイングヴェイ・マルムスティーンも aiko も 369 もいい感じです。 久々にクラシックをたくさん聴きたくなったヘッドホンではありますが、ベースラインがしっかりしてると何を聞いても満足度が高いです。
ヴァン・ヘイレンもサイコー。
1984
アーティスト:ヴァン・ヘイレン 参考価格: 価格:¥1,450 OFF : ¥550 (28%) |
前のエントリー(http://yoga.blog.so-net.ne.jp/dt990-fitting)の下のほうにいくつか CD の紹介をつけてますが、女性ボーカル物も結構 DT990 にあってるんじゃないかなと思います。 なんか耳元に「フゥッ」とくると外界から離れて音楽の世界に吸い込まれる感じがします。
The Rose~I Love Cinemas~
アーティスト:手嶌葵 参考価格: 価格:¥1,680 OFF : ¥210 (11%) |
□ オマケ情報
まったくの蛇足ですが、万一 DT990 が期待の音じゃなくて失敗したなー、もっと地味な音がいいなーと思っている方がいらしゃったら、AKG K271 のイヤーパッド(合成皮革)を試してみてはいかがでしょうか。 微妙なダブつきはありますが DT990 にもくっつきます。
K271 のパッドをつけると、密閉度があがるためかパッド部分から低音が逃げないので、中低音がさらに出ます。 イコール音量を下げられるということで、相対的に高域の量を減らすことができて DT990 が聴き疲れなしの超無難ホンに早変わりです。 アイドル歌謡もなんだか今日は大人な雰囲気だね、ということで一粒で二度おいしい DT990 でした。
触発されてブログ起こしてみました。それにしても、よさげなヘッドフォンだなぁ!
by tacashi (2008-07-26 00:21)
tacashi さんコメントありがとうございます。
JAZZ 系はセロニアス・モンクとかジョージ・ベンソンを少し聞くぐらいであんまりもってないんですけどビル・エヴァンスも面白そうですね。Waltz for Debby 聞いてみよう。
by よが (2008-07-26 01:48)