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6DJ8 真空管のお勉強 [音楽関係]

現在愛用中のソフトン Model6 ヘッドホンアンプに使われている真空管が 6DJ8 という型番です。

真空管の型番って、地域によって名前が変わったりします。 それと いわゆる「いい音がする真空管」≒「昔の真空管」ということで基本的に中古品・新古品の骨董品です。 なのでプレミアが付いてる物とそうでないものが いろいろ玉石混合(玉石混淆)状態です。 その辺をお勉強中。 「いいカモ」状態からの脱却を目指して、知恵がつく(余計なことを覚える)たびに上がってきます。


まずは型番の整理から。
6dj8-1.png
(クリックで拡大)


ベースの型番は 6DJ8 で、アメリカでの呼び方です。 6DJ8 は双三極管というタイプで、ひとつの真空管の中に増幅素子(=三極管)が2つ(=双)入っています。 増幅素子が2つ入っているので、1本でステレオに対応できます。 もっとパワーが欲しい場合はさらにもう一本持ってきて増幅度を上げたり別の真空管を後段につなげるのでしょう。
ヨーロッパでは同じものが ECC88 という名前になります。 C が何かを表していて 8 が別の意味でそれがひとつの真空管に2つ入ってるから CC と 88 らしいです。 詳しくはこちら → http://www.tubedata.info/tubnum.html
6DJ8 の主な製造メーカとしては Philips や Amperex、テレフンケンあたり が有名(そもそも真空管メーカーとして有名という事情もありますが)です。 とくに Amperex のオランダ工場製のものは音の評価が高いブランドが多いということでキーになるメーカーです。

続いて、6DJ8 の電気的特性の要求事項(寿命や特性のばらつきなどの条件)を厳しくしたプレミアバージョンが 6922 です。 こちらもヨーロッパでは名前が変わって E88CC になります。 88 と CC の順序が逆です。
またイギリスでは CV2492 とか CV2493 と呼ばれます。 ロシアでは 6Н23 (Hはキリル文字でN)です。


もともと 6DJ8/6922 はテレビチューナーの VHF 帯域か何かの増幅素子として開発されたとのことで、オーディオ専用ではなかったそうです。 でも、低ノイズというのが幸いしてかオーディオに使ってもいい結果が得られたようで プリアンプやフォノイコライザでも良く使われています。 マイクプリやヘッドホンアンプでも使われているのは ご存知のとおり。

そんなこんながあったかどうか知りませんが、ドイツ(とオランダ)では6922/E88CC からさらに電気的な要件(低ノイズ、低マイクロフォニック等)を厳しくした政府/軍の特別バージョンが作られて電話関係などで使用されたようです(具体的にどういう使われ方をしたのかは知りません)。 それが CCa です。 双三極管 "CC" のちょっち いいバージョン "a" という感じでしょうか。
もともとドイツ関係ということで、ドイツのメーカ(Telefunken や Siemens 等)が中心なのですが、ごく少量のオランダ製真空管も OEM 的に CCa として製造・使用されたそうです。 CCa はオーディオ界隈では その音質からブランド化しており超プレミアになっています。 まして、希少価値の高いオランダ製は目玉が飛び出るくらい高いです。 そもそも流通量も微量で、どこのサイトを見ても品切れです。


一方アメリカのほうでも(アメリカ限定というわけではないみたいですが) 6922/E88CC の特別バージョンがあって、それが 7308 です。 CCa もそうですが、中身が違うのか 6922 の選別品なのかはよくわかりません。 まぁ、そんなわけで、ヨーロッパでは 6922/E88CC の E と 88CC の間に "1" を入れて E188CC と呼ばれています。 7308 / E188CC はアメリカ製が多いようで、オランダやフランスの工場で生産されたものは やはり高値で取引されているようです。

ついでに、7308 をさらに改良したのが 8223 です。 サイズが違う(縦に長い)ということだそうです。 ヨーロッパでの名前は "1" の部分が "2" になって E288CC です。


オマケで、6DJ8 のヒーター電圧のスペックを少し高い電圧で動作するように微変更したバージョンが 7DJ8 / PCC88 です。 "E" と "P" の違いが電圧の違いなのかな? 電気回路の作り方によっては 6DJ8 のかわりに そのまま使えるようです。 ヒーター電圧が 7V なのですが、それをあえて 6DJ8 の規格の 6.数V で使うことで管への負担が減り長寿命が期待できるということのようです。



参考 URL
AudioAsylum.com -- Joe's Tube Lore
http://www.audioasylum.com/audio/faq/joes-tubes.html#6DJ8

6922 / E88CC / CCa / E288CC Amperex, Mullard, Siemens, Telefunken
https://www.tubeworld.com/6922.htm

6DJ8 Tubes From Brent Jessee Recording
http://www.audiotubes.com/6dj8.htm

UPSCALE AUDIO(通販サイト)
http://www.upscaleaudio.com/view_category.asp?cat=42

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K村

初めまして、テスラーE88CC愛好派です、

私はテスラーとJJしか持っていませんが、AmperexのUSA製はあまり良くないのでしょうか、たまにオークションで見かけます。

ECC88とE88CCの違いは、寿命、バラツキ、音質、何が違うのでしょうか、
突然で申し訳ございません。
by K村 (2009-03-04 06:10) 

よが

コメントありがとうございます。

私もまだ情報を収集し始めたばかりなので、どこ製が云々と一刀両断には程遠い状態です。 そもそも実際の音を聴いて見ないことには。。。
といいつつも巷では、Made in USA でも Amperex 6922 PQ White label の Pinched waist などはリファレンスとして愛用していらっしゃる方もいるようです。 一概に国だけでランク分けはできないと思っております。

ECC88 と E88CC の違いについて詳しいことは残念ながら私もわからないです。
音の好みという観点では両者の間に優劣はないだろうと想像していますが。。。
by よが (2009-03-04 22:10) 

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