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6DJ8 Bugle Boy Get したけど。。。 [音楽関係]

真空管に傾倒しつつある今日この頃、ソフトン Model6 用に Amperex の 6DJ8 Bugle Boy を Get しました。

6dj8-bb-DSC06819.JPG
左: Amperex 6DJ8/ECC88 (通称 Bugle Boy。オランダ製 1960年代の骨董品)、
右: エレハモ 6922 (通称 EH。 デフォで入ってたやつ。 ロシア製の現行品)

Bugle Boy というのは愛称で、真空管のロゴプリントにラッパ(Bugle)を吹く真空管君が描かれています。
管の太さが EH よりも少し細身な感じです。 ピンはスチールです。

ちなみに、Bugle(びゅーぐる)は軍隊なんかで使われるラッパです。 「ラッパのマーク・大幸薬品の正露丸」でおなじみのほうのラッパですね。 アンダーソン作曲の「トランペット吹きの休日」の原題が「Bugler's Holiday」です。 日本では笛吹童子と呼ばれることもありますが笛じゃないよな。。。 ついでに言うと Burgle や Burglar じゃなくて Bugle です。 ま、いいか。

~ 閑話休題 ~


さて巷の噂では、伸びやかな高域と豊かな低音で音楽用に最適といわれるほど評価の高い Bugle Boy です。 今回入手したのは 1960年代のオランダ製、Halo Getter の中古品です。 Upgrade として定番にして登竜門的一本でしょう。 ハズレ球でないことを祈りつつ。 交換の手順は最後に。

6dj8-bb-DSC06818.JPG
サービスショット。 デフォの真空管 EH の 6922。


[1日目]
確かにベースラインがよくわかります。 かたくしぼった濡れ布巾のような感じでかなり芯があります。 全体に EH より少し湿り気が増した感じ。 ゲインが少し高めなのか、いつもより1~2段小さく音量設定して EH と同じぐらいです。

スピーカーで聞くと目の前にある液晶の向こうまで音が広がってる感じがします。 EH より奥行きはありますね。 左右の広さは EHと同等か少し狭いかも。 無駄にぼやけてたのがキュッと締まった感じなのかな。 EH で時々気になった特定の音域(クローズハイハットとか)だけスピーカーにへばりついてる感じはないです。

ところでライブアルバムの拍手がなんとも生々しい。

一日目の感想としては「確かにそれなりの違いはあるけど、あれ、こんなもんか?(入手価格は5倍くらい違うので)」というのが正直なところ。 楽器と一緒で対数的なんですかね。
いつも忙しくても明るくバイトをがんばる EH に対し、自分探しの旅で上京して渋谷の雑踏の中にいる Bugle Boy という趣ですな。 まだ本領発揮というわけではないでしょう。 まぁ、アンガールズがドランクドラゴンになったぐらいの違いはありそうです。



[2日目]
高域がものすごく出てますね。 いわゆるドンシャリ、いわゆるラジカセ音質。 シンバルやハイハットが「ブラシ使ってるの? にしては音デカくないか?」というぐらいシャンシャンうるさいです。 ホワイトノイズっぽくて打ち込みで作った音みたい。 DT990 だと少し耳が痛いです。 そしてDT990 の音漏れが EH の2割り増しぐらい。

なんか EH よりバランスが悪い感じが。。。 D.A.I. は完全にパンク・インディーズな感じです。 ギターはみんなテレキャス使ってるの?っていうくらいジンジンした感じがします。 ピッキングアタックがピーキーでハウりそうです。
耳が痛い CD はイコライザで 2.1kHz,-3dB,Q:2.5 と 20kHz,-6dB,Q:0.5 ぐらいのフィルタを入れるとまあまあいい感じになりますが、ベストバランスではないですね。

一方、あべふゆみはイコライザ通さなくてもいい感じです。 バックの擦弦楽器がなんかいい音に聞こえます。
他のヴァイオリン曲でも E線あたりの「ツー」は結構それっぽいです。 少し官能的色づけ弦楽器の傾向があってLUXMAN P-1 を視聴したときの感じを少し思い出しました。 それとスネアのクローズリムショットは史上最高のヌケのよさで軽やかに鳴る感じが Good。 そしてタンバリンもって微妙にうろうろしてるのがわかるようなわからないような。 なんか、打楽器系は良さそうな気がしてきました。

まだ音にホワイトノイズがサワサワとまとわりつく感じがとれない(ヴァイオリンソロ系で特に顕著)ので、今後に期待。


6dj8-bb-DSC06811.JPG
サービスショット。 コンデンサがカッコいいです。



[3日目]
相変わらず高域がささります。 ひょっとして可聴域外でハウリングしてるんでしょうか。
それと中域にディストーションがかかっているような感じの音つぶれが。。。 心なしか昨日よりもベースの解像感も落ちてるような。

ふと、思い立って Model6 の Line out から ATOLL IN50SE につないで IN50SE のヘッドホン端子から聴いてみました。 「おっ、そんなに耳痛くないぞ。」っていうか落ち着いていい感じじゃないですか。
これならイコライザ通さなくてもナイスバランスですね。

もう一声シンバルが大人しくなってくれれば いい感じなんですが。 シンバルの消え際は やはりノイズっぽいです。



[4日目]
引き続き IN50SE 経由で聴いてます。 若干低域のアタックが丸まった感じはありますが、スムースでなかなかいい感じです。 クラシック大編成モノが雰囲気あっていいです。 シューマンとか堂々としててナイスですね。 明日はブルックナーを聴いてみよう。 ファンク系は荒さが取れた分、若干物足りない感じです。 ジャンルによっては EH もまだまだ Bugle Boy よりいいと思います。
もう眠いので今日は少しだけでおわり。



[5日目]
IN50SE 経由だとやはり丸いというかはっきりしない感じが。 でも Model6 直だと耳痛い。 ということで、Model6 側の音量を大きく(3時ぐらいに)して、IN50SE を Vol1(8時~9時) ぐらいにしました。 Model6 のキャラが強めに出るようですこしくっきりしています。 しばらくこれで行けそう。

球の慣らしも加速できるかな? 楽器の慣らしも音量出してゴシゴシ弾かないとなかなか Develop されませんからね。

グリュミオーのコンチェルタンテや店村さんのアルペジョーネ・ソナタがいい感じで聴ける。 やっぱりクラシック向きなのかな?>Bugle Boy



[6日目]
なんか耳痛いのに加えて耳鳴りがひどくなってきました。 特に寝る前。 まぁ、もともと13kHz ぐらいで しばしばピーンと耳鳴りしてる体質なので、これだけが原因ではないだろうと思いますが、なんか音チェックばっかりで音楽聴くのが あまり楽しくなくなってきた感じがしてるのも事実。。。

ということで苦行は苦手なので、デフォの EH に戻しました。
また春になったら Bugle Boy に替えてみよう。 まだ手放しませんよ。


うん、EH もいいんじゃないでしょうか。 大音量(MAX Vol でヘッドホン繋がず)で数時間鳴らすと低音もそこそこ出てくる っていうのは前にコツとしてつかんでるので、それほど変なバランスではないです。 シンバル系に関しては DT990 の芸風と相まって、耳の中をシャラランとマッサージするような感じが爽快です。 独特の荒さ・若干の高域の歪み みたいなのは EH の芸風でしょうね。 Jazz/Funk には EH のほうがいいです。

ただ、Bugle Boy で時々聞くことができた妙に生々しい感じ(特にパーカッション系)や スタジオの奥行きの感じとか ピアノのヌケの良さ っていうのは やっぱり減ってしまいます。 うーむ、EH のバランスに少しだけ低音加えて、ライブ感と立体感を Up してくれれば かなりベストに近い感じになるんですけどネェ。


そういえば、6DJ8 の独特の高域が苦手な人はPhilips USA の 7308 あたりがいいかもね みたいなのが どっかのサイトに書いてあったな。。。



[交換の手順]
ご注意: 「高電圧!高温!危険!蓋を開けてはいけません」と筐体のウラや取説に書いてあるのを承知の上で自己責任でやってください。 それと、この手順も間違っている可能性があります。 この手順に従ったとして、それで壊れても私は責任持ちません。

と断り書きも済んだのでいってみよう。


0.真空管がさめるまで電源を切って待ちます。
1.AC ケーブルなどすべてのケーブルをはずします。
2.筐体のネジ8箇所をはずすと蓋が取れます。
3.コンデンサを放電させます。
まずは念のために電源 SW(ACケーブルはささってないので電源は入りません) を ON にして電源回路に残ってるかもしれないなにかを放出します。 この部分は回路図がないので あくまで気休め。

続いて、下記のように いかにも電気が貯まってそうな耐圧250V のコンデンサが2つあるので、それをショート/放電させます。
model6-schema.png
ソフトンさんのページ http://www.icl.co.jp/audio/Model6/M6-2.htm より引用。

コンデンサの足に直接アクセスできればいいのですが、アートワークの都合上 足は見えません。 コンデンサの足を赤のラインやオレンジのラインのように辿ると、定電流回路のトランジスタの足をショートさせればよさそうです。 横に伸びてるのが ベース(B)、矢印がエミッタ(E)、斜め下になってるのがコレクタ(C)です。

実物では、プリント基板上に B と E のシルクが見えます。
6dj8-bb-DSC06816.JPG
ということで B をグランドとして残りの足をそれぞれショートします。 そんなんでいいのか? という疑問は残ったままですが、自己責任で どうぞ。 R-ch と L-ch でトランジスタが2個あります。
ショートさせる際は、左手はひざの上において筐体に触れず、右手だけでテスターやドライバなどをうまく使ってショートさせてください。 両手を使うと、万一感電したときに右手 → 心臓 → 左手のように体の中を電流が通るのでヤヴァいらしいです。
昔、真空管の無線機で感電したことがありますが、結構痛いです。 筋肉が EMSマシンでいきなり最大出力かけた時のように収縮(瞬間的に痙攣)するので、突き指ならぬ突き腕ぐらいのショックがあります。 まあ、死ぬことは無いと思いますけどトラウマにはなるでしょう。 あんな目には二度と会いたくないです。

4.真空管を抜きます。
まっすぐ上に向かって引っ張ります。 左右に揺さぶりながら抜くと真空管が壊れたり、ソケットが緩くなってノイズの原因になります。 革の手袋が滑りにくくてやりやすいです。

5.あとは逆順。 挿して蓋してください。

ということで挿して挿して挿しまくるべし。

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